取締役の責任

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会社法は、改正前商法とは異なり、株式会社の取締役が負うべき責任として、原則、過失責任としました

また、改正前商法では取締役会決議に賛成した取締役もその行為をしたものと見なす、と定められていましたが、その規定も削除されました。 

経営判断の原則

経営者が果敢に挑戦しても、それに失敗して会社に損害が発生すれば、会社から損害賠償され、あるいは、株主代表訴訟を提起され、巨額の損害賠償をしなければならなくなるというのは妥当ではありません。
失敗に終わってしまう経営判断もあり得ますから、これを事後的に評価して法的責任を問うことは、経営者を萎縮させ、かえって企業のためにならないからです。

そこで、
経営判断の原則といって、取締役が行動に出る前に、それによる被るリスクがどの程度のものであるかについて、慎重な判断がなされ、その裁量の範囲内において決断したのであれば、たとえ結果が失敗に終わっても法的責任は問われないという原則が認められています。

この原則の適用が認められるためには、その行為がなされた当時における会社の状況及び会社を取り巻く社会、経済、文化等の情勢の下において、その会社が属する業界における通常の経営者の有すべき知見及び経験を基準として、 
ⅰ 経営判断の前提としての事実の認識に不注意な誤りがなかったこと 
ⅱ その事実に基づく行為の選択決定に著しい不合理がなかったこと 
が必要です。 

これらの要件を充足している場合には、仮に、結果が失敗に終わったとしても、取締役は損害賠償請求されることはありません。

経営判断の原則の適用

裁判官が、取締役に法的責任を認めるのは、「リスクの検討をしていない場合」と「リスクの検討が不十分な場合」です。

ですから、主管部門からリスクに関して検討した詳細な資料を取締役会宛に提出させ、取締役会において、提案された案件について、リスクを検討し、一定のリスクは認められるけれども、それを上回るメリットに賭けてやってみる価値があるか万一うまくいかなかった場合の対応策、撤退スキーム等について十分な検討をすることが重要となります

また、多くの企業では、未だに、取締役会議事録に「第○号議案を審議し、一同、異議無く承認した。」という議事録を作成して、議論の過程を議事録に残していません。
しかし、取締役を守るために弁護士が欲しいのは、「リスクが具体的に検討されており、それに対する対応策が記載されている証拠資料」です。

裁判を提起されてから、「当時はいろいろ考えていました。」と申し開きをしても、裁判官は証拠がなければ事実を認定してはくれません。
経営判断を行った当時に、しっかりと情報を収集し、分析し、検討が行われていたのであれば、それを証明できるように、きちんと可視化しておく必要があります。

取締役の責任問題については、争いがある場合、まずは弁護士にご相談することをお勧めいたします。


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